浄水器だけじゃない、家庭でできるPFAS対策
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PFASは、水道水だけでなく、食べ物や身の回りの物からも体に入ります。
ただ、物から入る量は、ふつうは飲み水より少ないとされています。
家にある物を、急いで捨てる必要はありません。
どこで接するかを知り、買うときと使うときに少し気をつける。これが、家庭でできる対策の中心です。
PFAS(ピーファス)は、有機フッ素化合物という化学物質のグループの呼び名です。正式には「ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物」といいます。PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)は、その中の代表的な2種類です。
PFASが食品、食品包装、室内のほこり、身の回りの製品からも体に入ることは、公的機関の資料で示されています。このページでは、水道水以外の7つの場面を取り上げます。項目ごとに「何が言われているか」「今日からできること」「出典」の順に並べました。
先に、公的機関がくり返し説明している前提を2つ確認します。
- 日本では、PFOS・PFOA・PFHxSは、作ることや輸入することなどが原則禁止されています。化審法という法律で「第一種特定化学物質」に指定されたためです(PFOSは2010年、PFOAは2021年)。長鎖PFCAについても、2026年11月に施行される予定です(環境省 よくある質問 Q2・Q3)。
- 米国の毒性物質疾病登録庁(ATSDR。米国疾病対策センター CDC の関連機関)は、「今日の消費者製品からのPFOA・PFOSへのばく露は、PFASを含む飲み水からのばく露より一般に低い」と説明しています(ATSDR: How to Prevent PFAS Exposure)。ばく露とは、化学物質にふれたり、体に取り込んだりすることです。
では、家にあるフライパンや服は、全部すぐ捨てたほうがいいのでしょうか。
答えは、いいえです。上のATSDRの説明のとおり、製品から入る量は、飲み水から入る量より一般に低いとされています。だから、急いで捨てるより、次に選ぶときと使うときに少し意識するほうが、公的機関の説明に沿った対策です。
健康への影響そのものは、このページでは扱いません。食品安全委員会の評価書と環境省のよくある質問をご覧ください。
1. 調理器具(フッ素樹脂加工のフライパンなど)
手持ちのフッ素樹脂加工のフライパンを、急いで捨てる必要はありません。環境省は、そのコーティングにはPFOS・PFOAとは別の物質が使われていると説明しています。

何が言われているか。 フライパンのコーティングに使うフッ素樹脂(PTFEなど)も、PFASの一種です。ただし環境省は、「これらに用いられるフッ素化合物はPFOS・PFOAとは別の物質が使われています」と説明しています。
以前は、コーティング剤を作る途中でPFOAが使われていました。それも「国内での製造・輸入禁止に先立つ企業の自主的な取組で、このような使用は全廃されています」(環境省 Q13)。
米FDAも説明しています。作る途中で、小さな(食品に移りやすい)PFASの分子は、ほぼ蒸発します。コーティングから食品に移る量は「無視できる」としています。
今日からできること。
- 手持ちの調理器具を、PFOS・PFOAを理由に急いで捨てなくてかまいません(環境省・FDAの上記説明)。
- 買い替えで気になるなら、ステンレス、鉄、ホーロー、ガラスなど、コーティングのない素材もあります。これは選び方の一つです。公的機関が、フッ素樹脂加工品を避けるよう求めているわけではありません。
- 捨てるときは、「お住まいの市町村が定める廃棄の方法に従って」捨てます(環境省 Q13)。
出典。 環境省 よくある質問 Q13「身の回りの製品にPFOS等は含まれていますか」(最終更新 2026年7月7日)/US FDA: Authorized Uses of PFAS in Food Contact Applications
2. 衣類・撥水加工(レインウェアなど)
今持っている撥水ウェアを、買い替える必要はありません。新しく買うときに、「フッ素フリー」などの表示を見て選ぶ方法があります。

何が言われているか。 雨をはじく撥水・防水加工の服には、フッ素系の撥水剤が使われてきました。ATSDRは、体に入る道(ばく露経路)の一つとして、「防汚カーペットや撥水衣類など、PFASを含む消費者製品の残渣やほこりを誤って飲み込む」ことを挙げています。
EUでは、2026年10月10日から、一般の人向けの服や靴に含まれるPFHxA(PFASの一種)とその関連物質に、濃度の上限がつきます。レインジャケットなどのアウトドア用の服が、対象の例として書かれています。
一方、環境省は、PFOAが使われていたカーペットなどの繊維製品について説明しています。2019年に、6歳以下の子どもに注目したリスク評価が行われました。その結果、「これらの製品等を使用し続けても、そのリスクは、懸念されるレベルにはないとされました」。
今日からできること。
- 今持っている撥水ウェアを、買い替える必要はありません(環境省 Q13の上記説明)。
- 新しく買うときは、「フッ素フリー」「PFCフリー」などの表示があれば、フッ素系撥水剤を使っていない製品を選べます。表示するかどうかはメーカーの自由で、公的機関が義務づけているものではありません。
- 家庭用の撥水スプレーは、次の5をご覧ください。
出典。 ATSDR: How to Prevent PFAS Exposure(2024年11月11日)/Commission Regulation (EU) 2024/2462(PFHxAの制限)(2024年9月19日)/環境省 よくある質問 Q13
3. 食品包装(耐油紙・持ち帰り容器など)
持ち帰りの紙容器に入った温かい料理は、家ではお皿に移して食べる方法があります。米国やEUでは、食品包装のPFASは減っていく方向です。

何が言われているか。 紙の食品包装には、油や水をはじくために、PFASのコーティング(耐油コーティング)が使われてきました。ATSDRは、「PFASを含む材料で包装された食品を食べること」を、体に入る道の一つに挙げています。
米国では、耐油コーティング用のPFASを含む物質の販売が終わりました。米FDAは、「この段階的廃止の完了により、認可された食品接触用途からのPFASばく露の主要な発生源がなくなった」としています。
EUでは、2026年8月12日から、一定の濃度以上のPFASを含む食品用の包装を、市場に出せなくなります(包装・包装廃棄物規則 第5条第5項)。
日本の食品包装について、PFASだけを対象にした規制は、当サイトでは確認できていません。
今日からできること。
- 耐油性の紙容器に入った温かい食べ物は、家ではお皿に移して食べる。包装にふれている時間を短くするという、一般的な考え方です。公的機関が推奨として書いているものではありません。
- 米国・EUでは、耐油紙のPFASは段階的になくなる方向です。日本の規制の動きは、環境省のPFASページで確認できます。
出典。 US FDA: Authorized Uses of PFAS in Food Contact Applications/Regulation (EU) 2025/40(包装・包装廃棄物規則)第5条(2024年12月19日)/ATSDR: PFAS and Your Health(2025年7月22日)
4. 化粧品
気になる人は、化粧品の成分表示で、PFASにあたる成分名を確認できます。公的機関は、特定の化粧品を避けるようには求めていません。

何が言われているか。 米FDAは、「一部の化粧品には、口紅、アイシャドウ、保湿剤、ネイルポリッシュ、チーク、クレンザーなど、意図的にPFASが成分として加えられているものがある」と説明しています。肌や髪をなめらかに見せたり、製品の質感を整えたりするために使われます。
同時にFDAは、化粧品に使われるPFASについて、データが大きく不足していると報告しています(2025年12月)。「使用量のデータが限られ、経皮・経口吸収のデータがなく、皮膚毒性のデータもない」などの点です。
EUでは、2026年10月10日から、化粧品に含まれるPFHxAとその関連物質に、濃度の上限がつきます。
今日からできること。
- 気になる場合は、成分表示で「PTFE」「パーフルオロ〜」「ポリフルオロ〜」「フルオロ〜」を含む成分名を探せます。FDAが例に挙げた成分名は、FDAのページに一覧があります。
- 公的機関は、特定の種類の化粧品を避けるよう求めてはいません。示されているのは、「含まれていることがある製品の種類」と「安全性のデータが足りない」という事実までです。
出典。 US FDA: Per and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) in Cosmetics(2025年12月29日時点)/Commission Regulation (EU) 2024/2462/ATSDR: How to Prevent PFAS Exposure
5. カーペット・ソファ・撥水スプレー
今あるカーペットやソファを、PFASを理由に処分する必要はありません。撥水スプレーは、新しく買うときに成分の表示を確認できます。

何が言われているか。 ATSDRは、PFASを含むかもしれない製品として、「防汚加工のカーペット、布張り家具、その他の布製品」を挙げています。その残渣やほこりを飲み込むことが、体に入る道の一つだと説明しています。
環境省は、国内の撥水スプレーについて、「これらに用いられるフッ素化合物はPFOS・PFOAとは別の物質が使われています」としています。また、「PFOSは、日本国内で家庭用品の製造に使用されていたという報告はありません」とも書いています。
EUでは、2026年10月10日から、一般の人向けの混合物に含まれるPFHxAとその関連物質が制限されます。この区分には、撥水剤や防汚剤などの製剤が含まれます。
今日からできること。
- 今あるカーペットやソファを、PFASを理由に処分する必要はありません(前掲の環境省 Q13。2019年のリスク評価で「懸念されるレベルにはない」)。
- 撥水スプレーを新しく買うときは、「フッ素フリー」や「シリコン系」など、成分の種類を表示で確認できます。公的機関が、PFAS対策として特定の製品を避けるよう求めているわけではありません。
出典。 ATSDR: How to Prevent PFAS Exposure/環境省 よくある質問 Q13/Commission Regulation (EU) 2024/2462
6. 室内のほこり
室内のほこりも、PFASが体に入る道の一つとされています。こまめな掃除、換気、食事前の手洗いといったふだんの習慣が、ほこりとの接点を減らす方向に働くと考えられます。

何が言われているか。 食品安全委員会は、人がPFASを取り込む経路を次のように整理しています。「食品・飲料に加え、食品包装や粉じんからの経口摂取、カーペットや衣類等からの経口・吸入・経皮ばく露が指摘されています」。
米EPAは、「一部の家庭用品や室内の空気・ほこりには、なおPFASが含まれていることがある」と述べています。ATSDRは、「幼い子どもは、おもちゃや布をかんだり、手を口に入れたりすることが多いため、PFASが体に入りやすい可能性がある」と説明しています。
今日からできること。
- 公的機関は、PFAS対策としての掃除や換気の具体的な方法を示していません。ただ、「ほこりは経路の一つ」「幼児は手から口に入りやすい」という説明があります。そこから、こまめな掃除、換気、食事前の手洗いといった一般的な習慣が、ほこりからの接点を減らす方向に働くと考えられます。これは当サイトの整理で、公的機関の推奨ではありません。
出典。 食品安全委員会 評価書に関するQ&A Q8(2025年7月18日更新)/US EPA: Meaningful and Achievable Steps You Can Take to Reduce Your Risk(2026年7月14日更新)/ATSDR: Preventing PFAS Exposure(PFAS Exposure in Your Body)
7. 食品(魚介類などの摂り方)
PFASを気にして魚などを控えることは、公的機関は求めていません。日本人が食事からとっているPFOS・PFOAの量は、食品安全委員会が決めた目安より低いとされています。

何が言われているか。 食品安全委員会は、「生活環境等により異なるものの、食事による摂取が主な経路と考えられている」としています。農林水産省の調査では、過去の限られた情報として「魚介類、藻類、肉類に含まれていました」とされています。
一方で、日本人の平均的な摂取量は低いと推定されています。2012〜14年の調査にもとづくと、PFOSで体重1kgあたり1日0.60〜1.1ng、PFOAで0.066〜0.75ngです。これは、食品安全委員会が2024年に決めた耐容一日摂取量(TDI。PFOS・PFOAともに体重1kgあたり1日20ng)と比べて低い状況にあるとされています。
2026年9月に公表された農林水産省の令和7年度実態調査でも、同じ結果でした。「国産農畜水産物37品目からのPFOS、PFOA摂取量は、耐容一日摂取量と比較して十分に少ない」とされています。
今日からできること。
- 食品安全委員会は、「PFOS、PFOA等のリスクを過剰に懸念して食生活を変更することには、栄養学的な過不足をもたらす等の新たな異なるリスクをもたらすおそれがあります」と説明しています。魚介類を控えるといった食生活の変更は、公的機関が求めているものではありません。
- 米EPAは、PFASの影響を受けた水域の魚を食べないこと、州などが出す魚を食べることについての注意に従うことを求めています。日本でも、自治体が特定の川や地下水について注意を出している場合は、その案内に従います。お住まいの地域の公表情報は、都道府県別ページで確認できます。
出典。 食品安全委員会 評価書に関するQ&A Q8・Q10/食品安全委員会 評価書の概要(PDF)(2024年6月)/農林水産省 食品中のPFASに関するQ&A Q5(2026年9月11日更新)/農林水産省 令和7年度国産農畜水産物に含まれるPFASの実態調査結果(2026年9月11日)/US EPA: Meaningful and Achievable Steps You Can Take to Reduce Your Risk
このページで書いていないこと
公的機関の一次情報で確かめられないことは、書いていません。
- たとえば「空焚きをしない」「傷ついたフライパンは買い替える」「電子レンジ用ポップコーン袋を避ける」「ウォータープルーフ化粧品を避ける」「スプレーは屋外で使う」「魚は週何回まで」といった行動です。公的機関の一次情報に、あてはまる記述が見つかりませんでした。
- 健康への影響の程度や、一人ひとりのリスクの判定は扱いません。上の「今日からできること」は、公表された事実から導ける見直し点の整理です。
水道水はこちら
家庭でできるPFAS対策は、どこで接するかを知り、選ぶときと使うときに少し気をつけることです。飲み水については、お住まいの水道局など(水道事業者)の検査結果を確認するのが出発点です。
郵便番号を入れると、お住まいの地域の公表値が分かります。らくらくPFASマップで調べられます。浄水器を考えている場合は、浄水器の比較ページで、JWPAS Bの公表試験結果を見比べられます(運営者の製品「凄水」を含むPRページです)。
